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2015年1月16日

産経新聞 平成27年1月16日(金)【歴史戦】WEST

中国の文化〝侵略〟 尖閣危機尻目に「親中派」が沖縄で進める「龍柱」建造 かつて和歌山、奈良でも騒動が…

 青く澄んだ「美(ちゅ)ら海」に面した那覇市若狭の沿岸部が、ある論争の舞台となっている。同市が中国・福州市との友好都市30年を記念したシンボルモニュメント「龍柱(りゅうちゅう)」を建造する計画が浮上。昨年11月の沖縄県知事選で初当選した翁長雄志(おなが・たけし)氏が那覇市長時代から進めている事業だが、元来、龍は中国皇帝のシンボルとされる。その上、国の沖縄振興一括交付金を財源とする事業なのに中国の原材料を使い、現地業者が製作するという計画に、尖閣諸島(同県石垣市)の奪取を虎視眈々と狙う中国に臣従して国民の税金まで“貢ぐ”のか-と保守系の市議や市民らから批判が相次いでいるのだ。和歌山や奈良でも近年、中国ゆかりの建造物設置をめぐる騒動が持ち上がり、背後には「親中派」の存在が浮かび上がった。専門家は「中国の〝侵略〟は文化から始まる」と警鐘を鳴らしている。(永原慎吾)

新知事誕生…中国国家主席がほくそ笑んだ?

 昨年11月16日の沖縄県知事選開票日。那覇市内の翁長氏の選挙事務所では、現職の仲井真弘多(ひろかず)氏を破り、初当選確実を伝えるテレビのテロップが流れると、詰めかけた支持者から大歓声が上がった。

 翁長氏は自民党県連幹事長を務めた経歴を持つ。前回(平成22年)の沖縄県知事選では仲井真氏の選挙対策本部長も務めた人物だ。

 ところが今回の知事選では仲井真氏とたもとを分かち、共産、社民などの革新陣営と連携。米軍普天間基地(宜野湾市)の辺野古移設反対を旗印に、「オール沖縄」「イデオロギーよりアイデンティティー」などと訴えて支持を集め、仲井真氏を知事の座から引きずり下ろした。

 国際社会の中で、翁長氏の初当選にほくそ笑んだであろう人物がいる。中国共産党に君臨する習近平国家主席である。

 「反米路線」を貫く翁長氏の中国との接点は意外と知られていない。17年、福州市から栄誉市民の称号を受けたことがあるが、福州市を省都とする福建省は習氏の長年の地盤でもある。そんな翁長氏が那覇市長時代の24年度から肝いりで始めたのが、龍柱の設置事業なのだ。

一括交付金で龍柱

 計画されている龍柱はどんなものなのか。

 同市花とみどり課によると、市が若狭地区の沿岸部で建造を進めている龍柱は高さ約15メートル、幅3メートルという巨大な2体。若狭地区は那覇空港から市の中心部へと通じる交通の要衝。龍柱は、2匹の龍が海を見つめる様子をあらわしたデザインを予定しており、市はシンガポールのマーライオンのような観光のシンボルをイメージしている。

 玄関口に龍柱を設置する意義について、市の担当者は「首里城をはじめ、沖縄の建物や敷地の入り口には龍柱やシーサー像が置かれていた。龍柱は日中双方の文化が融合した沖縄文化の一つだ」と強調する。

 だが、市議会では計画への異論も渦巻いた。中でも前泊美紀市議は計画が持ち上がった段階から「反対」を訴えてきたという。

 前泊市議が異議を唱えるのは、龍柱設置事業の財源に国からの沖縄振興一括交付金が使われる点だ。一括交付金は使用目的が決められた“ひも付き補助金”ではなく、地方が自由な裁量で使用できる。ここ数年、沖縄県が受け取っている年間1500億~1700億円超の一括交付金は那覇市などに振り分けられ、龍柱設置のための予算にも充てられている。

 26年度で完了予定の龍柱設置事業の総事業費は2億6700万円。このうち約8割は一括交付金が占めるという。しかも、原材料は中国から切り出された石材が使われ、現地で加工された。一括交付金が中国の業者を潤わせているのだ。

 市は「発注したのは県内の業者で、中国の業者はその下請け」としているが、前泊市議は「そもそも全国の中で沖縄は優先して一括交付金を受け取っている。本来は福祉や市民生活に直結すべき事業に使われるべきお金が無駄遣いされている。国にも足下を見られかねない」と語る。

 市は翁長氏が知事へと転身した後、副市長として市政を支えた城間幹子市長が事実上の禅譲を受けた。城間市長の代になっても事業は粛々と続けられている。

 龍柱は現地で完成し、すでに昨年末に沖縄県に運搬された。現在、若狭地区の沿岸部で整地と台座の設置作業が進み、今年3月末までに完成した台座に龍柱を設置し、事業が完了する見通しだ。

江沢民揮毫の石碑計画

 中国ゆかりの石碑や銅像などの建造物を設置しようとして物議を醸したケースは過去にもある。

 和歌山県田辺市では15年、日中国交正常化30周年の記念として、中国の江沢民国家主席(当時)の自筆の「登高望遠 睦隣友好」の揮毫(きごう)を刻んだ石碑を市有地の公園に建立する計画が持ち上がった。

 計画を推進したのは、同県選出で現在は自民党総務会長を務める二階俊博氏。二階氏ら地元の有力者が発起人となり、県日中友好交流推進協議会を組織して、市に計画を持ち込んだという。

 ところが、「なぜ公の場に江氏の碑を建てるのか」「江氏は首相の靖国参拝を非難するなどの発言をしており、賛成できない」といった異論が相次ぎ、市民団体が抗議文を市長に提出する事態に発展。市は公園用地の提供を見合わせ、計画は頓挫した。

 奈良県でも22年、平城遷都1300年記念事業の一環として、先の大戦で県の文化財を米軍の空襲から守ったとされる中国の建築家、梁思成(りょうしせい)氏(1901~72年)の銅像を県文化会館(奈良市)に設置する計画が浮上した。

 梁氏は大戦中、米軍に奈良・京都を空襲目標から外すように進言した“古都の恩人”とされ、中国側が日中友好協会を通して銅像の建設を提案。銅像を中国側、台座を日本側が製作する予定だったが、梁氏のエピソードは中国側が持ち込んだもので事実関係が明らかではなかったことから、研究者から疑問の声が上がった。

 これを受けて荒井正吾知事は「梁氏の進言で奈良への爆撃が回避されたかについては、県として確たることが言えるわけではない」と撤回を決めた。

 日中関係に詳しい独立総合研究所社長の青山繁晴氏は、那覇市の龍柱設置事業について「龍は中国皇帝の象徴であり、国内に建てるというのは中国の侵略をウエルカムだと言っているようなものだ。当然、建設は中止すべきだ」と憤る。

 その上でこう警告する。

 「中国の〝侵略〟はまず文化から始まる。政治家たちがそのような建造物を建てようとしても、私たち国民がその思惑に気付かないといけない」


2014年11月18日

産経新聞 平成26年11月18日(火)【産経抄】

沖縄危機 11月18日

 恥ずかしながら、最近まで知らなかった。鳩山由紀夫元首相が、政治活動で使う名前を「友紀夫」に変えていた。「友愛への理解を深める」のが理由というから、あきれてしまう。「最低でも県外」。鳩山氏の無責任な発言が、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題をこじらせ、地元に不毛な対立を生んでしまった。

 ▼政治家引退後も、非常識な行動は収まらない。尖閣問題で中国に利する発言を繰り返し、移設反対派に加担している。一時は沖縄知事選出馬も取り沙汰されたが、さすがに実現しなかった。

 ▼日曜日に投開票が行われた選挙で初当選したのは、名護市辺野古への移設反対を掲げる、前那覇市長の翁長雄志氏だった。政府は粛々と作業を進めるだけだが、工事阻止を狙う活動の激化は避けられないだろう。それ以上に気がかりなことがある。

 ▼沖縄在住の作家、恵隆之介氏によれば、翁長氏は「鳩山氏よりもっと危険な親中派の人物」だという。すでに那覇市内の市有地には孔子廟(びょう)が建てられ、中国の石材を使った、高さ15メートルもの龍柱の建設が予定されている。

 ▼翁長氏に名誉市民の称号を授与した中国福建省の省都福州市は、習近平国家主席のお膝元でもある。翁長氏の背後には、習氏の影が見え隠れする。中国共産党の機関紙はかつて、琉球諸島の帰属は未解決との論文を掲載した。翁長沖縄県知事は、中国の支援を受けて独立を果たし、日米両国政府に「米軍撤退」を要求するのではないか。

 ▼こんなシナリオを紹介した恵氏の近著『迫りくる沖縄危機』(幻冬舎)が、沖縄で売れている。にわかに信じがたい話だが、確かなことが一つある。沖縄は反米反日一色ではない。中国の脅威を懸念する声も高まっている。


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